ドライビット「アウサレーション®」世界標準の外断熱工法
サンクビット 世界標準の外断熱工法


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『建築技術』掲載

湿式外断熱工法による断熱改修

(株)サンクビット

外断熱情報サイト
日本でのドライビット「アウサレーション®」製品情報掲載サイト http://www.cinqvit.com/
米国ドライビット社の情報サイト http://www.dryvit.com/
外断熱シミュレーションソフトの詳細情報:(株)クワトロ http://www.qcd.co.jp/
ユーザー交流サイト「ソトダンフォーラム」 http://www.sotodan.com/

改正基準法で普及しだした湿式断熱

 現在、国内のコンクリート建物は内断熱が主流である。しかし、断熱先進国である欧米では、外断熱が常識である。特にデザイン表現力に優れ、改修に適した湿式外断熱工法は、数十年前より欧米の主流である。躯体を分厚い断熱材でスッポリと覆う外断熱は、省エネ・耐久性・快適性など従来の内断熱では期待出来ない数多くのメリットを備えている。しかし、これまで国内では、旧建築基準法の制約があり、海外で主流の湿式外断熱工法は、ほとんど適用されなかった。

 2002年6月の改正基準法により、仕様規定から性能規定への移行し、欧米で実績の多い湿式外断熱が国内でも実施可能となった。発泡系の断熱材を使用した湿式外断熱工法が新築・改修で可能になったのである。

 世界の湿式外断熱工法は、数十年前より欧米で普及している工法である。中でも米国のドライビットシステムズ社の「アウサレーション®」は35年間で世界46カ国に対し2.3億m²の実績を誇っている。この数字は、仮に外壁面積1万m²(旧丸ビル程度)のビルでいうと、世界中に2万3千棟建築されてきたこととなる。

 法改正に伴い湿式外断熱工法が注目されている理由は、次のことからである。

  1. 地球温暖化防止京都会議/欧州での湿式外断熱改修によるCO2削減・省エネ達成の実績は、日本の施策へ影響を与えると予想される。
  2. 環境負荷低減/建築廃材の処理場不足などから、行政ではスクラップアンドビルドで予定していた公営住宅の長期計画を見直している。
  3. 健康住宅/既存RC住宅に住んでいる人は、浴室や北側居室の環境改善、「結露・カビ」防止対策など、湿式外断熱改修への関心が高い。
  4. 工事共通仕様書改定/昨年7月の国土交通省による同仕様書の改定で、初めて外断熱改修工事が環境対応グリーン工事として追加された。
  5. 品確法と性能評価/品確法が、昨年末に改修工事に対しても適用されるようになり、外壁改修の各種工法に対しても、性能評価の比較に関心が集まっている。
  6. 新省エネ法/非住宅の2千m²以上の建物に対し、2003年4月1日より施行された。無断熱の70ポイント程度の多くの既存建物を基準の100ポイント以上にするため、従前の補修・塗装改修から湿式外断熱改修に変更する動きが始まっている。
  7. VOC問題/学校や集合住宅の外壁改修の場合、塗装溶剤の臭いが問題となり、臭いの少ない外装仕上げに関心が高まっている。

 このような市場ニーズの動向により、法改正後の1年で湿式外断熱工法を採用する物件が急増している。新築物件も増えているが、RC造の既存集合住宅・戸建住宅や病院などの外断熱改修事例も増加している。

 この稿では、ドライビット社のアウサレーション®を一例に、湿式外断熱工法を紹介する。

 この工法は透湿性ビーズ法ポリスチレンボード(EPS)を断熱材に使い、現場施工作業で仕上げる工法である。透湿接着モルタルで断熱材をRC躯体に接着し、左官や塗装技能者のこて作業で、ガラス繊維補強メッシュと透湿接着モルタルとをからめながら、断熱材表面へ薄く仕上げる。最後の仕上げにはこてとスプレー(ローラー)の二種類がある。(図1)

外断熱の断面図1.アウサレーション®の断面仕様
(下地:RC躯体、下地と断熱ボードの間:ドライビット接着樹脂モルタル、断熱材:ドライビットボード50mm(20-100mm)、メッシュ:スタンダードメッシュ、ベースコート(厚2.5mm)、仕上げ:フィニッシュコート(厚1.0mm)

工法の特徴

  1. 高品質の外装を低コストで実現。外装材基本性能(防水・耐風圧・耐久・断熱・意匠性等)を確保しながら、水蒸気によるトラブルを排除。施工コストは乾式工法の1/2~1/3位。
  2. 軽量で耐震性が良い。(@50mmにて約8Kg/m²(接着樹脂モルタル含む))。
  3. 上階への延焼に対する防火性能(多層階防火試験に合格)に優れている。
  4. デザイン表現力が高い。テクスチャー5種以上、標準355色の組み合わせ。凹凸仕上げも可能。
  5. 熱橋がなく、省エネ効果が高い。(アンカーや金具が不要。)
  6. 軽量で改装に適している。施工時に騒音・臭いの問題が少なく、居ながら施工が可能。
  7. 汚れ防止機能と防カビ機能を有し、メンテナンスに有利。
  8. 耐衝撃性が高く、日常用途で発生する台車等の衝撃に有効。

外断熱の例
写真1、アメリカの施工例

 以上述べたように、単に防耐火性能だけではなく、長期にわたって都市インフラの資産価値を維持していくための多くの要求性能を満たしている。

外断熱の例
写真2、和歌山県某町営集合住宅(改修後)

 写真2は、和歌山県 某町営集合住宅の例である。築後20年以上を計画しているこの住宅は、長期修繕計画に基づき検討した結果、湿式外断熱工法を採用し、平成14年10月に着工、平成14年12月に竣工した。


写真3.石川県営平和町住宅(新築)


写真4.愛知県一宮市営春明住宅(改修後)

一般に、既存RC建築物の外断熱改修計画は、図2のフローで工事仕様が確定される。


図2.外断熱改修計画フロー

市場ニーズに対応した施工技術者の増加

  このような背景から、(社)日本塗装工業会は、平成14年に「今後の国内改修市場のなかで、この欧米の湿式外断熱工法の普及が加速する」と予測し、本年度から全国ブロックでの組織的な基幹技能者養成講座をスタートした。この研修制度は、3泊4日の合宿で、本湿式外断熱工法の施工技術技能に関する基本カリキュラムを講座・実習各10時間行っている。全講座終了後、考査に合格しレポートを提出すると同工業会の公認「湿式外断熱工法・基幹技能者」の認証が与えられる。

今後の展開

 今後、新築物件への湿式外断熱工法の採用が増加するとともに、多くの既存建物に対する長期の維持保全を目的とした大規模外断熱改修が増加するものと思われる。欧州での成功事例を見るまでもなく、外断熱のパッシブ省エネのメリットと住環境改善・建物長寿命化のメリットは、国内の新築市場や改修市場を大きく増加させていくものと予想される。

 特に、潜在市場の大きな改修に関しては、補修・防水・塗装といったこれまでの維持保全目的から、湿式外断熱改修による「建物性能大幅引き上げ→リノベーション」に置き換わることで、前述した各種の課題を解決する有効な政策となっていくことを切望している。