ドライビット「アウサレーション®」世界標準の外断熱工法
サンクビット 世界標準の外断熱工法

『建築技術』掲載

米国全体で商業ビルの3割が湿式外断熱工法(EIFS)

外断熱が話題になり、出来れば外断熱の住宅に住みたい、と希望する人も増加している。法改正により欧米と同様、湿式外断熱工法でRC建物を建築することが可能になってきた。これまでの外断熱に関する関心は、省エネ防露など機能性にあった。しかしながら建築家は意匠性を最も重要視しており、現在展開されている外断熱工法はいずれも意匠に自由度が少ないとの認識により、良いのは知っているが意匠を犠牲にしてまで使いたくない、との受け止め方が多かった。

1.米国の最新外断熱普及状況

 米国では、外断熱工法は湿式のみであり、EIFS(Exterior Insulation Finish Systems:外装断熱仕上工法)と呼ばれている。米国のEIFSは、ひび割れや剥離・脱落・意匠性・軽量性・経済性などが問題となっていたスタッコ・モルタル・レンガ・プレキャストなどの商業ビル外装材に置き換えられる形で、この35年の間に急成長してきた。長い歴史の中で、EIFS業界と行政とが厳しい品質性能評価・検証の土台を築き、国民の理解を集めながら、民需主導でビル外装市場最大の新市場を作り上げてきた。中でも米国ドライビットシステムズ社は米国EIFS最初の製造業者であり、常にトップ企業として業界をリードしてきた。同社製品アウサレーション®は北米中心に46カ国に事業展開しており2.3億m2の累積実績となっている。
米国でEIFSの最大の特徴といえば、意匠性である。事業者が意匠にこだわるのは、建物意匠が将来の事業運営上重要な影響力を持っているからである。意匠ニーズにどこまで対応出来るかが、EIFSの評価基準となってくる。
一例を挙げよう。米国のサクセスビジネスを連想させる企業とは?マリオット・IBM・ソニー・ホスピタルオブアメリカ・シアーズ・ディズニーなどがあげられるが、これらの企業は既に20年以上以前よりドライビットを繰り返し使用している。
  今や、商業ビル外装の30%以上がEIFSで構成されるほどとなっており、トップのドライビットに至っては、実に全米商業ビル11棟に1棟の比率で使用されている。
  何故これほどまでにEIFSは評価されてきたのであろうか?筆者らは2002年3月訪米して調査をおこなった。

2.芸術と技術の融合、EIFSの意匠性について

 米国サクセスストーリーがそのまま街となったようなラスベガスは、広大なネバダ州の砂漠の中にあった。
  ラスベガスは70年代にカジノで有名になったが、80年代に入り景気が悪くなってきた。そこで90年代に入り、街の魅力UPのためディズニーランドにイメージされるアトラクション型のホテルが導入された。マンハッタンのスカイラインを一つのビルで表現したニューヨーク・ニューヨーク、エキゾチックなアラジン、フランスのエスプリ・パリス(写真1)、運河のベネシアンなど、集客力の高いアトラクション型ホテルが続々と建設された。これにより、ラスベガスの魅力は再度世界に知れ渡った。これらのほとんどの巨大ホテルがドライビットをビル外装に採用した。建物が必要とする外装の芸術性は、的確に表現されていた。個々の建物を見て回り、EIFSは既存の国内ビル外装材に無い意匠表現力を持っていると感じた。
  特筆すべきは、形状の自由さ、テクスチャーの選択肢の多さ、カラーの豊富さであった。建築様式でいうと、クラシック・ポストモダン・ミッション・アールデコそしてディズニー等でおなじみのフォーリー…。事業者がホテルの外装に求める多くの芸術的コンセプトが一つの製品で表現されていた。
  中でも世界最大級のEIFS建築であるベラッジオ(写真・)は特筆に値する。ホテルの前に立ち、その雄大さとイタリア的エレガントに圧倒された。約19万m2のビル外装はドライビットで構成されている。97年からの工事で、ドライビット工事関係者は数世紀前に建造されたルネッサンス芸術を今世紀の最新EIFS技術で表現する作業に従事した。ホテルの収益性に対応するため、現場施工工法とプレハブパネル工法の併用による工期短縮がなされた。結果的にこの巨大ホテルは要求通りのデザインで、しかも要求通りの約2年の工期で完成した。このベラッジオに限らず、上記に上げた数々の巨大ホテル群は、芸術・建築技術・事業経済という3要素をEIFS技術でクリアしながら、施主の希望通り建設された。これらにより、世界有数の観光名所の人気が復活し、増収にいたっている。このような事から、ラスベガスシティをドライビットシティと言う人もいる。
  今回の調査では上記西部ネバダ州の他に、北部ロードアイランド州・南部テキサス州を訪問したが、いずれの都市でも意匠経済性の総合評価でEIFSが普及していることを確認できた。

3.今後の国内でのEIFSの普及について

 日本国内でグローバリゼーションの流れに沿って、建築基準法が改正され、建材試験センターの[海外性能評価内容証明事業]がスタートした。
  法改正は外断熱改修を促進し、今後大きな成長分野となっていくものと思われる。上記の米国で発展した最新EIFS技術やその法的評価基準等が積極導入されることに期待したい。